芸能プロダクションが雑誌社を提訴、タレント記事の携帯サイト無断転用で賠償認める

芸能プロダクションが、雑誌掲載のために提供した所属タレントのインタビュー記事や写真を、出版社が無断で有料携帯サイトに転用したことの是非が争われました。裁判所は、利用範囲の合意を超えた出版社の債務不履行(契約違反)を認めました。

基本情報

判決結果
原告一部勝訴
カテゴリ
著作権・AI
裁判所
東京地方裁判所
判決日
2003-11-28

裁判所・判決日: 東京地方裁判所 / 2003-11-28

判決結果: 原告一部勝訴

カテゴリ: 著作権・AI

主な争点

  • 被告の債務不履行責任の有無(掲載合意の範囲) - 原告と被告の間で、タレントのインタビュー記事や肖像写真等を、雑誌掲載以外に携帯電話サイト(本件サイト)へ掲載すること、およびその期間についてどのような合意が成立していたか。
  • 著作権および肖像権(パブリシティ権)侵害の有無 - 本件サイトへのインタビュー記事、肖像写真、音声メッセージの掲載が、原告の有する著作権、およびタレントの肖像が持つ経済的価値を独占的に利用する権利(パブリシティ権)を侵害する不法行為にあたるか。
  • 損害の発生および数額の算定 - 被告の義務違反または権利侵害によって原告が被った損害額はいくらか。原告が請求した1500万円の妥当性が争点となった。

判決文抜粋

  • 被告は,原告に対し,金100万円及びこれに対する平成15年8月13日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。原告のその余の請求を棄却する。
  • 芸能プロダクションである原告は,出版社である被告との間で,所属タレントAのインタビュー記事等を雑誌「オーディション」に掲載することを承諾した。被告はさらに携帯サイトへの掲載も申し入れ,掲載期間は「雑誌の発売期間と同じ位(約1か月)」になる旨を説明していた。
  • 被告がタレントAのインタビュー記事等を,当初の合意期間(約1か月)を超えて約7か月余にわたり携帯サイトに掲載し続けたことについて,債務不履行責任の有無、および著作権・肖像権侵害の有無が争点となった。
  • 被告のサイト責任者は,原告に対し掲載期間は雑誌の発売期間と同じ位となる旨答えており,原告もこれを前提に承諾したと認められる。被告が1か月をもって掲載を抹消することを失念し,7か月余にわたり掲載を継続した行為は,過失による債務不履行責任を構成する。
  • 音声メッセージは単なる挨拶であり著作物とはいえない。また,肖像写真についても当初は掲載を承諾していたものであり,社会的評価を低下させるものではない。本件は不法行為(権利侵害)ではなく,合意期間を超えた掲載による債務不履行の問題となる。
  • 被告が携帯サイトにより得た利益や,タレントAの人気,掲載期間が合意を大幅に超えたことなど諸般の事情を総合的に考慮し,被告の債務不履行によって原告に生じた損害額は100万円と認めるのが相当である。

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